AGA(男性型脱毛症)とは
AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。
成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことです。思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。
日本では、1000万人以上の方が抜け毛や薄毛で悩んでおり、そのほとんどがAGA(男性型脱毛症)といわれています。
AGAには進行性がるので、何もせずにいるとだんだんと髪の毛の数は減り続け、暫くすると抜け毛・うす毛が徐々に目立ってきます。
ただし、AGAの症状は薄毛になっても、うぶ毛は残っています。毛包が存在している限り髪の毛は元通り生え、張りとコシを取り戻せる可能性があります。ですので、早めに対策や治療をすることがとても大事です。
AGA(男性型脱毛症)の原因
AGAには様々な原因があると言われています。その代表的なものがこちらになります。
- 男性ホルモン
- 遺伝
- ストレス
- 生活習慣・食生活
男性ホルモンの影響
AGAは一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。
AGA(エージーエー)の脱毛部にはDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの一種が高濃度にみられます。このホルモンは本来は男子の胎児期に外性器の発達を促す重要な働きを持っています。
ところが、このDHTは思春期を過ぎるとヘアサイクルの成長期を短くする原因物質になってしまいます。成長期が短くなることにより、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまいます。
髪の毛の正常なサイクルを狂わせてしまうことで、十分に育たない、細く短い髪の毛が多くなり全体としてうす毛が目立つようになります。
遺伝による影響
AGAは遺伝によるものも多いと言われています。
脱毛を誘発する要因の中に「5αリダクターゼ」という酵素があるのですが、親からの遺伝でこの酵素の量が生まれつき多い方がいらっしゃいます。
こういった方は抜け毛が多くなりやすく、薄毛にもなりやすいと言えます。
遺伝子検査などによって、自身の5αリダクターゼの量を診断することもできるので、気になる方は検査のできる医療機関に行ってみてもいいかもしれませんね。
ストレスによる影響
AGAには精神的ストレスが原因になることもあります。
過度な心理的ストレスは心身ともに様々な悪影響をもたらします。
その影響は毛髪にとっても例外ではなく、ストレスによって自律神経が変調をきたすと、血流が悪くなり頭皮に栄養が行かなくなってしまいます。
栄養補給が妨げられると、当然ヘアサイクルが乱れ、髪の毛がきちんと育つ前に抜け落ちてしまうという結果をもたらします。
生活習慣・食生活
高カロリーな食事や、コンビニ、レトルト食品など、便利だからと言って日常的に摂取していると髪の毛にはよくありません。
特に、脂っこい食べ物は血中の悪玉コレステロールを増やし、頭皮への血流を妨げることに……。
逆に高たんぱくな食品や緑黄色野菜は栄養も豊富なので、積極的に摂取するといいですね。
偏った食事もそうですが、過度のアルコール摂取や喫煙、運動不足などの生活習慣も頭皮への影響は大きいです。
アルコールを大量に摂取すると、肝臓がアルコールの分解を最優先するためタンパク質の合成を阻害します。タンパク質は髪の毛の育成には必須の栄養素ですから、不足すれば髪の毛にとって良いことは一つもありません。
また、喫煙は血管を収縮させてしまうので、やはり頭皮への血流がわるくなってしまいます。こちらも前述したとおり頭皮や毛根への栄養補給が妨げられますので、薄毛の原因になってしまいますね。
AGA(男性型脱毛症)の治療
男性型脱毛症と診断された場合、主に内服薬と外用薬を用いて治療を行います。
フェナステリド(プロペシア錠)
フェナステリド(プロペシア錠)はAGAの原因といわれている、5αリダクターゼの生成を抑制させる飲み薬です。この薬は、厚生労働省が認可している、唯一の薄毛治療飲み薬です。
アメリカでは1997年から医薬品の認可を受けていて、非常に歴史と実績があります。
プロペシア錠は継続して服用することが非常に重要で、だいたい6ヶ月程度の服用から効果が出始めるようです。継続することにより徐々に薄毛の進行が止まっていく効果が認められています。
なお、内服を中止すると再度脱毛症状は進行していくため、飲み続けることが大事です。
継続的内服することにより効果が表れており、6ヶ月の服用で約5割、1年で約6割、2年で約7割、3年では8割の方がAGAの症状が改善されたという臨床データが出ています。
男性に対しては大きな効果が期待され、男性型脱毛症の内服治療薬としては第一に推奨されています。
ただし、このフィナステリドという成分は女性に対しての適応は認められておりませんのでご注意ください。
ミノキシジル
毛の成長や発毛を促す効果があるとされているお薬です。
外用薬と内服薬の2種類の形状があり、使うことで血液を活発にさせる効果があります。
もともとは血圧を下げる薬として開発されたのですが、多毛症を起こすという副作用が見られたため、AGAのお薬として研究開発がなされ今日に至ります。
このお薬も最低でも6ヵ月の使用をしなければ効果が実感できないようで、長く続ければ続けるほど効果は実感できていくとされています。
フェナステリド(プロペシア錠)との相性もよいため、並行して利用することで効果が高まります。